2021年10月

ユークレース 1.396ct

脆さがあるからこそ強く
まっすぐに輝く美しい結晶

特定の方向に対し、割れやすい性質「劈開性(へきかいせい)」。なかでも、一番割れやすい「完全劈開性」を持つのが、ユークレースです。ブルーの色合いからアクアマリンと混同されていた歴史がありますが、この劈開性という特徴から別の石だと判明。徹底研究したフランスの鉱物学者が命名しました。

アクアマリンの青が「海」なら、ユークレースの青は「ガラス細工」の青。そんなイメージですが、不思議なことにこの石はまったく別の印象です。それこそアクアマリンやパライバトルマリンのような「海」の青さを感じる「脆さ」というより、意志の固さや、芯のまっすぐさを感じるのです。

言ってみれば「ユークレースらしくない」のが、この石の一番の特徴。もしかしたら「別の宝石になりたかったユークレース」か、「本来のユークレースを主張したかった」のかもしれません。この石がユークレースであるかないかよりも、この石の存在が、まさにあなたが必要としているタイミングで現れたということが大事なのです。

「ユークレースだから脆い」。そんな固定概念は、このユークレースにはありません。むしろ「普通のユークレースとは違うのよ」といった自己主張の強さを感じます。人も同じ。肩書でもポストでもなく、ありのままのその人の「個」を受け入れることが、本来の人間らしさなのです。