2021年03月

スフェーン 4.310ct

美しいものほど、もろく傷つきやすいもの。
でもそれは、傷つきやすいからこそ強くなれる証。

結晶の形状が似ていることから、ギリシャ語で“くさび”を表す「スフェノス」を名前の由来に持つスフェーン。割れやすく傷つきやすい性質から、宝石には適さないとされていましたが、華やかにきらめく虹色の輝きに魅了される者も多く、またカット職人の技術向上により、一躍人気の宝石になりました。

その虹色の輝きこそスフェーンの一番の特徴で魅力である「ファイア」。ダイヤモンドに匹敵する屈折率を持ち、とらえた太陽光をあらゆる色彩に導く特性があります。特にこのスフェーンは、メラっと揺れる“赤”が神秘的。これも、熟練のカット職人によって引き出されたスフェーン独特の魅力でしょう。

スフェーンの希少性を高めているのは、やはり割れやすく傷つきやすい性質だから。大きな結晶で採掘されることがほとんどなく、市場にもあまり出回っていないのが現状です。また、目に見えないほどの傷によってくすんだようなマットな質感になってしまうため、この透明度を誇るスフェーンはとても貴重です。

蛍光灯の下では静かですが、太陽光を浴びると強いスペクトル色を放つスフェーン。弱い性質から宝石として認められなかった過去が嘘のようにも思えます。
今、未来の自分を信じて輝きをやめないことの大切さと、過去を引きずりこだわることの無意味さを、スフェーンのファイアが伝え続けてくれています。