2021年06月

レッドスピネル 1.672ct

気品高きその棘が織りなす
永遠なる華やかさと輝き

ラテン語の「小さなとげ」を表す“スピネラ”を語源とするスピネル。八面体である結晶の先が、棘のように尖っていることからその名がつけられました。さまざまな色のバリエーションがある石ですが、なかでも鮮やかな赤色を放つレッドスピネルは、ほかの色より格段に希少で貴重だと言えます。

決して色あせることのない華やかさと輝き。今でこそ魅了される人の多いレッドスピネルですが、かつてはルビーと混同されていたという不遇な過去があります。実際、イギリス王室の戴冠式用王冠に飾られた「黒大使のルビー」と呼ばれる赤い石が、のちにレッドスピネルだと判明したのは有名な逸話です。

このレッドスピネルは、ルビーに近い赤というよりは、少しオレンジがかった温かみのある赤色が特徴です。「棘」といっても瞬時に刺す鋭さがあるのではなく、心や意識の中にすっと入り込むといった印象でしょうか。貫き通す信念の強さや、志まで一直線に突き進むパワーを感じます。

人は本来強いもの。もともと芯の強さがあるのにもかかわらず、うまくそれを活用できない不器用な人は少なくありません。自分を信じ、自覚を持つのを手助けしてくれるのがレッドスピネルなら、イギリスの王がスピネルをルビーと間違えたのは、必然だったのかもしれないとさえ思うのです。